Guilty Connector Review

Guilty Connector

Ma.s Model OSC02

 自分がつくる音楽のテーマのひとつとして2008年の今のところ現在、その音を聴いている最中は自分自身の時間感覚、というか空間感覚を相当に狂わせてみたいというのがあって、ではそれには何が必要かといいますと、今のところ自分に必要なツボ、というか音は、建物全体を揺らす地鳴のような重い低音域をベースに、ギターアンプから発生する高音域のフィードバックとシャワーようなハーシュノイズのコントロール、さらにその低音域と高音域がカラむことによって生まれる倍音とのバランスといったもので、それを使って時間/空間感覚がどんどん狂えばいいなあ、というのを日々実験しておる者です。

 さて、ここ数年の自分はこのギターアンプと小さな振動音を拾うマイクロフォン・ピックアップとのフィードバック操作で、十分に楽しく異空間へと飛ばされていたのですが、しばらくやっておりますと、まあそのフィードバックにももっと変化が欲しくなってきます。  ではそこにどうゆう変化を加えれば良いかと、毎日そんなことばかり考えているのですが、これといった決定的なものは見当たりません。考えているだけではダメなので、何か適当に自分が持っている楽器類を色々と試してみます。しかしまあそこそこは楽しいのですが、コレだ!、という風にしっくりと来るものはありませんでした。

 アア何かGxCxの音楽を決定的に彩る新しい音はないものか。そんな時にひょんなことからM.A.S.Fから、この装置のモニターにならないか、と言っていただいたのがコトの始まり。  自分はこういったツマミ類やスイッチがいっぱいの怪しい装置が大好物、でも稼いだキャッシュはうっかりビールとツマミに消えてしまいます。謎がいっぱいのこの怪しい装置を購入する財力や勇気などありません。とまあそんなこんなのところに、こういったありがたいお話をいただき、ヤヤア。マカセテクダサイ!と二つ返事をしておるところに届いたのがコレ。OSCO2です。

 さっそく使ってみますと、とても美しく抜けて伸びるような高/中音域の、最高にツボなドローンが生まれます。小さなツマミをまわすとそれがどんどん変化していきます。次に、右上と左上のネジ山にタッチしてみますと、ピッチがスローになったり、はやくなったり、そこにはデイビッド・チュードアの”Rainforest”ばりにピチュピチュッと乱舞するパルス音。組み合わせ次第で何パターンもの音が生み出せます。そして右下のネジ山に触れてみますと、また非常にBRUTALなハーシュノイズがウネります。自分は、おお!と心の中で何度も唸りました。これらのネジ山にタッチし、小さなツマミ群を回し組み合わせることで、一体どれほどの音が生み出せるのか・・・。オマケに自分のライブ・エレクトロニクス選びに於いて、全部まとめてバックパックひとつに収まることが非常に重要な要素ということもあって、このコンパクトさはうれしい!

 う〜ん、これは自分を新たな音楽の旅にしばらく連れていってくれそうだぞ。マイクロフォン・フィードバックとOSCO2の生み出す音とのミキシング、そしてこれらの高音域群と低音域とのバランス・コントロール・・・etc。という具合に、研究することは山積みで、ああやっぱり音楽って楽しいなあ。とこいつを使って毎日楽しく遊ばせてもらっている今日この頃です。

 これを書いている2008年12月現在は、悪魔のようなフィルターを制作中とのことで、これもすごく楽しみにしているWE’RE THE SKULL ELECTRONICS! GC! です。

FILTH THE SLP!/GxCx, 2008 SHIWASH. 
www.gravity-swarm.com 
Ma.s Model OSC02